学部時代の研究#
概要#
学部時代に行っていた研究について紹介する.UAVネットワークの構築について扱い,UAVの配置問題や最適化を研究した.UAVネットワークとは,無人飛行機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)を複数台同時に飛行させて,各UAVがクライアントである地上ユーザに無線通信を提供するものである.図1にUAVネットワークの概略を示す.通信を行う際は,クライアントノードの上空にUAVがホバリングする間に通信を確立させ,データを収集する.また,ある基地局に向けて収集したデータを集約させる場合,UAV同士がマルチホップにデータを転送し合うことが可能となる.
本モデルはインフラ整備が整っていない環境や災害地域での利用を想定している.基地局が故障した際や,そもそも基地局が整備されていない地域では,地上ユーザは遅延の少ない安定した通信を行うことが難しい.そこでUAVネットワークを構築することで,一時的に通信を確立させて安定した通信環境を利用することが可能となる.
図1 UAVネットワーク
図2に実際にやるとこんな感じというイメージを示す.実験ではRaspberryPiを搭載したUAVを飛行させて,クライアントと通信を行った.
図2 イメージ
衛星通信とは違う?#
近年,Starlinkのような衛星通信を用いることでクライアントは通信を行うことができる技術がある.現在では多数の衛星が地球の周囲をまわっており,地球上の多くのエリアで通信環境を簡単に設立することが可能となる.日本においても,現在ではほとんどの地域で利用することができる.しかし,地上に専用の基地局を設置しなければならず,設置場所も上空が開けている場所でなければならない.基地局を設置することが難しい地域では,衛星通信の利用は難しい場合がある.そこで,UAVネットワークを用いることで衛星通信がもつ難点を解消することができる.UAVは地上から数十メートル上空を飛行し,地上ユーザ端末に直接通信を提供する.また,UAVは高度な移動制御が可能であるため,通信しづらい地上ユーザ端末に対しても,無線通信を提供することが可能である.
研究の課題#
これまでの研究では,UAVは高品質な通信を提供できるものとしてUAV配置などが提案されてきた.しかし,利用を想定する地域において,常に高品質の通信を提供できる保証はない.むしろ,通信品質が劣悪になる環境である可能性も考えられる.UAVが地上ユーザに対して通信を試みた結果,データ収集を失敗する可能性を考えなければならない.本研究では,通信劣悪環境下と良好環境が混在する地域を想定し,短時間で可能な限りのデータ収集を行えるような UAV配置に関して検討する.
業績#
- 高橋優作,平田孝志,鎌村星平,“UAVネットワークにおける通信劣悪環境下での最適配置問題に関する検討,”電子情報通信学会技術研究報告, NS2025-311, pp.530-535, 2026年3月.
- 高橋 優作,“UAVネットワークにおける通信劣悪環境下での最適配置問題に関する検討,”成蹊大学2025年度卒業論文